2010年度 会長挨拶
会長職をお受けして
第46代会長 L鈴木利孝
私は、例会スローガンを「遊 悠 ゆう」としました。
「遊」は予ねてより関心の高い文字でした。隠れたる神の出遊を意味すると説いた、漢文学者白川 静氏の著作「文字逍遥」からいろいろ学び、会長職をお受けする覚悟を表す文字としました。氏は を氏族の旗と犠牲を掲げること、 は行くことを意味すると説きます。人生60年過ごし色んな経験を得て至った心境と相通ずるものがあります。そして悠々の心境でクラブ運営を行います。一頃、勝ち組負け組みといった評価が世間を賑せました。一時の結果ではなく、苦難や試練を乗り越えた時に、心の強さを持ちえたかどうかが、その人それぞれの人生を決めていくと思います。
アクティビティスローガン「夢と希望をWE SERVE」は月並みですが、「を」か「で」にするかで迷いました。
念ずれば夢は実現する。とは巷間良く聞きますが、まず、夢見ることが出来ない、夢も希望もない時代になりつつ有るのではないか。勿論お金がほしいだの、恋人がほしいだの具体的個人的願望を言っているわけでは有りません。
我々は時代を創り、地域を考え、家族を思う気持ちを大切にしていきたいと日々活動をしています。やはり「で」ではなく「を」でした。
今を助けるとか、今まで実施してきたから続けるといったアクトではなく、5年後10年後につながる、将来を見据えたアクティビティ、未来を担う若人への援助を惜しみなく実施したいと思っています。
介護保険制度が、施行されてから10年目を迎えます。社会環境の変化、人心の変化等時代性にマッチしているのでしょうか?
我々自身の介護を考えたときに、今の社会制度、地域の状況、ご近所や家族の人間関係を抜本的に考え直す必要を迫られた良い機会を得たと思っています。100歳を超える老人の所在不明者が、調査スタート30数名から100名を超えているのではないでしょうか?その事は行政の怠慢・不手際を責めて済む問題ではないと思います。我々それぞれが、老後の過ごし方を考えどのような環境に身を置くのか、置きたいのかを家族ともども話し合わねばならないと思います。介護のあり方(されるほうだけで無く、するほうのケアーも)を考えて行く場がもてればよいと思っています。このことは、家庭内におけるDV、特に幼児期の虐待を無くす事にも通じていくと思います。
本年は、チャーターナイト45周年を迎え、5年毎の節目を記録し、思い出に残るようなささやかなイベントを実施したいと考えています。
ライオンズクラブの活動が、地域への関わり方から、色んな誤解を生みその実態をご存じない方々から厳しい評価を戴いたりすることがあります。
形あるものより、眼には見えなくとも、記憶に残るものを考えて行きます。
そして、共に汗を流し会員皆さんの職業を通じて異業種組織の強みを発揮したいと思います。言い古されていますが、一人一人の力を集めより大きなアクティビティにしたいと願っています。
鈴木 利孝